雇止めより無期転換後の労働条件を考えよう

いわゆる無期転換ルール。労使ともに誤解している部分も見受けられる。雇用期間が1年の契約社員の場合、実際に無期雇用に転換するのは早くて2019年4月1日からだが、無期転換後の労働条件は、転換権を行使して新たな労働契約が成立した時点で確定する。従って、無期転換後の労働条件を新たに定めたいならば、対象の契約社員が転換権を行使する前に、就業規則の改定をしておく必要がある。転換権が行使された後だと、いわゆる不利益変更の問題が生じうるからである。なお、見落とされがちだが、雇い止めを検討している事業者は労働契約法19条の雇止め法理に留意する必要がある。契約社員の雇止めの難しさは、正社員の普通解雇と大差ないと考えておいた方が無難だろう。そうすると、いかにして2018年3月31日で合法的に雇止めするかを考えるより、2019年4月1日からの無期労働契約の労働条件をどうするかを考えるべきではなかろうか。特に、超売り手市場で人手不足の業種では、無期転換後の労働条件をどのように設定するかが、生き残りのポイントになるように思われる。

 
 
 
2017年11月15日 | カテゴリー : 労働 | 投稿者 : MasterT